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2007年08月 アーカイブ

2007年08月15日

二重封筒はどんな場合に使う?

【弔事以外の正式な手紙に】
 白の定形の封筒の中でも、特に二重封筒と使うのがもっとも正式な手紙とされています。二重になっているということは、それだけ中に入っている手紙が厳重に守られた封書であることを意味します。
 ところが、改まった内容の手紙でも二重封筒を使うのをタブーとされるケースもあります。
 そのひとつはお悔やみの手紙です。二重封筒は「不幸が重なる」意味に通じる為タブーです。病気のお見舞いや災害のお見舞いの手紙も同様の意味から二重封筒は使いません。
 このようなケースの場合では、手紙の文章中にも「重ね重ね」や「返す返す」といった重ね言葉を使うのも不吉とされていますから、注意しましょう。

便せんの正しい折り方は?

【封筒の形に合わせましょう】
 縦長の和封筒と、横長の洋封筒、それぞれにあわせて折り方があります。
 まず、和封筒の場合は便せんを三つ折にするのが正式です。便せんの下から三分の一を折り上げ、次に上の三分の一を折り下げます。封筒に入れる際には、手紙の書き出し部分が封筒の開口部にくるように入れます。
 洋封筒に入れる便せんは、四つ折にします。まず便せんを縦に二つ折りにし、次に上下をあわせるように横に二つ折りにします。この折り目が封筒の開口部にこないように、書き出し部分を封筒の表に向けて入れます。
 どんな封筒の場合でも、便せんは字が書いてある面を内側にして折るのが常識です。無造作に折られた便せんより、開きやすくきちんと折られた便せんのほうが手紙を受け取った方へも好印象でしす。

誤字は訂正液で直してもいい?

【書き直すのがマナーです】
 一生懸命書いた手紙の最後の1行で間違ってしまったなんていうとき、修正液を使いたくなりますが、それはタブーです。もちろん、修正テープも同様です。
 たとえ誤字が1字、最後の1字としても改めて書き直すのが手紙のマナーです。手紙は書く人の人柄や誠意を伝えるものですから、面倒臭がらず、もう1度最初から書き直しましょう。
 特に、お祝いやお悔やみの手紙などに修正液、修正テープが使われていては、どんなに心をこめて書いたとしても台無しです。
 封書やハガキの表書きで、間違えた場合も同様です。

レポート用紙や原稿用紙を使うのは?

【間に合わせととられます】
 親しい間柄のくだけた手紙なら別ですが、レポート用紙や原稿用紙を使うのは感心できません。
 こと改まった手紙や目上の方への手紙なら、本来、便せんも厳選しなければなりません。レポート用紙や原稿用紙を使うことは、便せんを買う手間を省いた、もったいない面倒だったに違いないと思われても仕方ありません。もらう方を不愉快にさせてしまいかねないのです。
 手紙の内容、相手に合わせた便せんを選びましょう。筆記用具は、昔は正式な手紙には万年筆をと言われていましたが、今はボールペンや細いサインペンでもOKです。タブーなのはエンピツ。太いサインペンも読みにくいのでさけましょう。

祝い事の手紙の封字も〆でOK?

【『寿』『賀』などの封字を使いましょう】
 お祝いの手紙には『寿』がもっとも一般的です。そのほかに、『賀』の字を使ったり、または祝儀用のシールを封字の代わりに使う場合もあります。
 また閉じ方が、和封筒の場合はよいのですが、洋封筒で縦書きにする場合は、封筒裏のふたが左右どちら側から閉じることになるか充分注意してください。
 ふたを左側から閉じるのは“不祝儀重ね”といわれ、会葬御礼などの弔事の場合だけ。ふつうの私信はもちろんのこと、お祝いの手紙を左から閉じるのはタブーです。洋封筒に縦書きで宛先、宛名を書くときは、まず裏を返してふたの向きを確認してから書きましょう。

セロテープで封をするのは失礼?

【当然、のりづけがマナーです】
 封筒の開口部を閉じるときは、のりを使うのが原則です。セロハンテープやホッチキスなどはもってのほかです。私信ではなく、社用で出す場合などで中身がとても厚く、のりでは封筒の口が開いてしまいそうなときは、例外としてセロハンテープをつかうのもやむを得ませんが、それでもできるだけのりづけですませたいところです。

夫婦の宛名に様は1つ?

【それぞれにつけるのが礼儀です】
 夫婦両方にあてて手紙を出す場合、2人の名前に『様』ひとつというのはとても失礼です。
 夫の姓名と敬称を中央に書き、その左に妻の名と敬称を書きます。敬称の位置はそろえます。妻は名字を省いて名前だけにするのが一般的です。奥さんの名前がわからないときや、名前を知っていてもあまり面識がない場合には、あえて『奥様』としてぼかした書き方にするほうが奥ゆかしいといえます。また、ご主人とその家族全員にあてる場合は、ご主人のフルネームの横に『御一同様』か『御家族様』としてもいいでしょう。
 子供の学校の先生や塾の先生、自分の恩師、医者などには『先生』の敬称もよく使われます。その場合には、『○○先生』でよく、『○○先生様』とするのは間違いです。
 会社や組合などの団体につける敬称は『御中』。少し、左によけてやや小さめに書くのが一般的です。“○○係”という場合も、“係”というのは敬称ではないので、『御中』を書き入れます。
 ただし、団体のなかの1個人にあてる場合は『○○社御中△△様』とする必要はなく、『○○社△△様』でOKです。

郵便番号のはじめに〒はつける?

【つけると読み違いの原因になります】
 郵便番号を書き入れる枠が印刷されてない封筒に郵便番号を書き入れる際に、〒マークを書き入れることを習慣にしている方が多いのですが、実は、郵便局の機械が番号を読み取れず、トラブルの原因にもなります。
 郵便番号の枠が印刷されている封筒には、必ず枠の中に正しく書きましょう。はみ出したり、枠外に書いたりすると、機械が読み取ってくれません。もちろん、宛名を横書きにした場合でも、指定の枠があれば、そこに書き入れるようにしましょう。

配達してくれる人の立場になって、読みやすく正確に書きましょう

 国内便の手紙は、縦書きの和封筒か横書きの洋封筒に分けられます。いずれの場合も、封筒の表書き、裏書きは、読みやすく楷書でハッキリと正確に書くことが基本です。
 親しい間柄だからと、封筒の裏書きに名前だけ書いて出した場合に、何かの事情で手紙が受取人の手元に届かなかった場合にトラブルとなる可能性もあります。
 また、郵便番号を正しく書いていれば、都道府県を省略しても構いません。

【和封筒】
・受取人の住所は宛名よりやや小さめの字で、1,2行で書きましょう。
・宛名は住所より1字くらい下げて、中央に書きましょう。
・和封筒裏には封字を記すのが決まりです。『〆』『締』『封』
・差出人の住所、氏名は封筒裏の継ぎ目をはさんで左右に書くか、継ぎ目の左に書きましょう。
・差出人の住所、氏名の左上には、手紙を書いた日付を書き添えましょう。

【洋封筒】
・取人の住所は横書きにする場合、封筒の上三分の一のスペースに1,2行で書きましょう。
・和封筒と同じように住所よりやや大きい字で封筒の上下左右のほぼ中央に書きましょう。
・洋封筒の場合、封字はなくてもかまいません。親しい相手ならシールなどを貼ってもOKです。
・差出人の住所、氏名は封筒の下三分の一に書きましょう。
・洋封筒に横書きで書く場合は、日付を省略してもかまいませんが、書く場合は、住所の左上か左下に 算用数字で書き入れましょう。

 海外に出す手紙は、封筒の表に受取人の住所、氏名と差出人の住所、氏名の両方を書きます。そして、国内便とは違って、受取人も差出人も、まず氏名を書き、次に住所を書きます。さらにマンション、アパート、団地などの名、町名、区名、都道府県の順で書きます。日本でいう住所を下から書くことになるので気をつけてください。

【エアメール】
・差出人の氏名、住所は左上に、“JAPAN”と書いておけば、差出人の氏名、住所は日本語でもかま  いません。
・受取人の宛名、住所は中央か右よりに、名前の頭には、男性にはMr.女性にはMs.またはMrs.
 Miss.の敬称をつけ、次に住所、最後の行にあて先の国名を書きます。
・航空便で出す場合は、“BY AIR MAIL”と記しましょう。

往復ハガキ

【返信用ハガキの宛名は、必ず『行』を消して『様』を書き入れましょう】
 往復ハガキを出す場合は、返信用ハガキの表に自分の宛名の敬称は省き、名前の左下に小さく『行』と書くのがマナーです。そしてそのハガキを受け取った人は、『行』の字を2本線で消し、宛名の下に改めて『様』の敬称をつけ、返信します。返信の宛名が『○○係』であれば、そのやや左下に、『御中』を書き入れて返信しましょう。

絵ハガキ

【旅先からの便りはその地名を記し、住所は省略してもOK】
 ちょっとしたメッセージを書くだけでいい絵ハガキは、手軽に書ける重宝な便りです。写真や絵などが印刷されている面には基本的に何も書かず、片面に表書きと通信文を半分ずつ使って書きましょう。
 旅行先などから絵ハガキを送る場合は、自分の住所を省略し、ハガキを出した地名を書き添えてもいいでしょう。ただし、郵便トラブルに合わぬよう、受取人の住所、氏名は正しく書きましょう。日付を書きいれる場合には、通信文の最後か、切手の下に書きましょう。
 

一般的なハガキ

【ハガキの場合も、目上の方に出す場合には縦書きが基本です】
 ハガキの裏には通信文を書き、表に受取人の住所、氏名と差出人の住所、氏名の両方を書くのがふつうです。絵ハガキなどハガキの裏一面に写真や絵が印刷されている場合は、表の上部二分の一に表書きをし、残りのスペースに通信文を書きます。ただし、どんなハガキの場合でも、目上の方に出す場合には縦書きが基本です。

相手を敬い、相手が読みやすい、書くためのテクニックが字くばりです

 手紙の字配りには、いくつかの基本的なポイントがあります。まず重要なのは、相手の名前や相手の身内の名前を行の下のほうに書くのはタブーだということ。逆に、自分の名前や自分の身内の名前を行の上のほうに書くのはとても失礼です。
 ひとつの言葉が2行に分かれてしまったり、「が、の、に、を」などの助詞が行の頭にくるのも相手が読みにくいので避けましょう。字配りとは、手紙を受け取った方への心配りです。

【相手をさす言葉は行の前半に】
 『○○様』『御一同様』などの相手をさす言葉は、できるだけ行の頭にもってきましょう。無理な場合は、必ず行の上半分にくるように。相手をさす言葉を行の下半分に書いたり、2行にまたがって分裂させて書くことはマナー違反です。

【自分をさす言葉は行の後半に】
 相手をさす言葉と反対に自分をさす言葉『私』『私ども』『主人』『子供』など自分の身内をさす言葉は、行の下半分にくるように書きましょう。どうしても行の半分から上にきてしまう場合は、行の右に寄せて小さな字で書きましょう。

【ひとつの言葉は1行におさめましょう】
 『お世話になり』が『お世』『話になり』と2行に分かれていたりしてはとても読みにくいです。長いひとつの言葉は、1行の中にまとめるようにしましょう。

【思いきって次の行へ】
 文章のつながりで書いていくと、どうしても相手の名前が行の半分から下に来てしまう場合は、その行の下はあけたままにし、思いきって改行をしましょう。

【行内にまとめましょう】
 ひとつの言葉のまとまりが2行に分かれそうなときは、字を小さくして1行にまとめたほうが読みやすいでしょう。

手紙に使われる謙譲語とは?

【「言う」「行く」「いる」などでしょう】
 手紙にもっともよく使われるのは、「言う」の謙譲語である「申し上げる」ではないでしょうか。「行く」の謙譲語は「うかがう」、「来る」の謙譲語は「まいる」。「いる」の謙譲語も「おる」も「○○いたしております」といった使い方で利用されます。また、「見る」は「拝見する」「聞く」は「うけたまわる」「うかがう」、「食べる」は「いただく」が謙譲語です。
 ほかに「お書きする」「ご連絡いたす」「ご返事申し上げる」などのように「お」や「ご」を頭につけ、後ろに「する」「いたす」「申し上げる」などの言葉をつけると謙譲語になるものもあります。

【宛名に敬称の『殿』を使うと『様』よりも敬意が軽くなります】
 宛名や手紙の文中で相手の名前の下につける『様』は、目上、目下に関係なくすべての人につけられる敬称です。公用文などに用いられる『殿』は、古めかしい言い方で、改まった感じがするかもしれませんが、現在の私信にはほとんど使用されず、使ってよいのは親から子供に出す手紙くらいです。

言葉を尊敬語に変えるには?

【尊敬語にするパターンを覚えましょう】
 「聞く」の尊敬語は「お聞きになる」
 「入る」の尊敬語は「お入りくださる」
 「旅行する」の尊敬語は「ご旅行なさる」
というように、動詞に「お」や「ご」をつけて結びを換えるだけで尊敬語になるもの、また「聞く」や「入る」
は「れる」「られる」を後ろにつけて、「聞かれる」「入られる」としても尊敬語になります。ところが、この言い換えがあてはまらない場合もあります。
 たとえば、「食べる」は「お食べになる」とか「食べられる」といった尊敬語の表現はなく、「召し上がる」といいます。手紙によく使われる「言う」「行く」「来る」「見る」は、それぞれ「おっしゃる」「いらっしゃる」「おいでになる」「ご覧になる」と言い方が変わります。ほかに「する」は「なさる」と言う言い方に変わります。

敬語はどう使い分ければいいの?

【相手には尊敬語、自分には謙譲語を使いましょう】
 ていねい語とは「○○する」「△△だ」を「○○します」「△△です」と、いわゆる丁寧な言葉遣いにした語。手紙ではこの丁寧語を使うのが基本です。
 さらに相手側の呼び名や、相手の動作を示す動詞などは、尊敬語を使い、自分側の呼び名や自分の動作を示す動詞などは謙譲語を使うのが礼儀です。

先生様という敬称は、過剰敬語です!

「いる」の尊敬語は「いらっしゃいます」or「おられます」?

 手紙で相手の安否を尋ねるときに「お元気でいらっしゃいますか」と言う言葉を使いますが、これは、元気で「いる」の尊敬語です。ところがこんな場合に「お元気でおられますか」を使う方が

「藁にもすがる…」「感謝感激…」大げさな表現はかえってイヤミです

 自分の思いを相手に伝えようとするあまり、表現にことさら大げさな言い回しを用いるのは、かえってイヤミだったりします。
 依頼状で、どうしても相手に頼みたい用件を書くときに「藁にもすがる思いでお願いする次第です。」などと書くと常識を疑われてしまいます。いくらせっぱつまった状況にあっても「藁に〜」というのは「藁のよな、すがっても仕方のないものにさえすがりたい思い」と言う意味なので「そんなに頼りにならないと思うのなら、別の人に頼んだら」と思われても仕方ありません。
 お礼状などに、「家族一同、感謝感激いたしております」などと書くのも大げさすぎて、本当の気持ちが伝わりにくいものです。とても有難い事を伝えたいのなら、借り物の言葉ではなく、家族の生の声を引用したりして、具体的に喜びを表現しましょう。

春のうららかな日を「小春日和」というのは間違いです

 「小春日和」とは、春の暖かい日差しがうららかな陽気のことだと思っている方が多いと思いますが、実はそれは間違いなのです。
 小春とは陰暦十月の異称です。この時期は寒い冬を前にして、ときおり寒さがふとゆるみ、暖かい春を思わせる日が続いたりする事があるからそこで「小春日和」と言うわけで、現在で言えば、晩秋から初冬にかかる頃に使う表現です。
 時候のあいさつでよく見かける「風薫る季節」「薫風」と言う言葉も、やたらに使うと恥をかきます。風は一年中吹いていますが、薫る風とは、5月の風のことです。俳句では初夏の季語ですから「落ち葉が舞い、風も薫る秋となりました」などと使うと、おかしな表現になってしまいます。
 使い慣れた言葉のようでも、実は間違った解釈をしている場合もありますので、十分注意しましょう。

字に自信のない人は、絵手紙を!!

自分だけのオリジナルハガキを!!

面倒くさがり屋さんにはレタックス!!

こんな形でも郵便で!!

決まった日に届く“配達日指定”!!

あて先不明で帰ってきた手紙が再差出!!

出してしまった手紙を取り戻したい!!

賢い郵便のリサイクル!!

不祝儀袋“選び方と表書き”

祝儀袋“選び方と表書き”

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