【速達の場合だけに】
『前略』は、“前文に」あたるいろいろのあいさつを省きます”という意味の頭語。緊急に知らせなくてはならない用件を相手に伝える手紙などの冒頭におくものです。つまり、“急いでいる”ニュアンスを伝え、時候のあいさつや相手の安否をたずねるあいさつなどは省いて、いきなり用件に入ることを示します。
でも、どんな手紙にも『前略』を用いるのは考えもの。本文、前文で時候や安否を問うあいさつをするのが手紙のマナーなのですから、速達で出すような緊急時以外はあまり使うべきではありません。
ことに目上の方へのお礼状などには『前略』は禁物。たった1,2行のあいさつを書くヒマもないのかと思われかねません。反対に、『前略』と最初に書きながら、続けて「春らしい季候になりましたが、お元気でお過ごしですか」などと前文のあいさつを書くのもおかしなものです。手紙の目的に合った使い方をしてください。