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2007年05月 アーカイブ

2007年05月01日

形式的な手紙に頭語や結語はなぜ必要?

【漢文が教養だった時代の名残】  今でも公的なあいさつ状や仕事関係の手紙など、形式が重んじられる場合には、頭語や結語をきちんと用いて書くのがマナーとされています。頭語や結語などの漢字の熟語を手紙の最初と最後のあいさつとして用いるのは、昔漢文を心得ていることが教養人の証であり、ステイタスだったころの名残なのです。  ところが、現在では漢字離れが進み、『拝啓』や『敬具』などの頭語や結語を置くのは決まりだからと、自分で書いていても、実はその意味を知らない人も少なくありません。  『拝啓』は“へりくだって申し上げます”、『敬具』は、“以上、敬って申し上げました”の意。言葉の意味を知っていれば、「拝啓、ハーイ、お元気?今私はね・・・・」などという手紙は変なことがわかるはずです。いざというときのために頭語や結語の意味と、それぞれの対応のルールを覚えておきましょう。

2007年05月02日

女性の私信

【受取人が目上でも『拝啓』などの頭語は省いてかまいません】 『拝啓』『謹啓』などの漢字の熟語である頭語は、女性の私的な手紙には堅苦しすぎるもの。また頭語を置いた手紙は、それ以降の文章も格式ばった表現で最後まで一貫させないと不釣合いなものになります。現代の女性の私信は、目上の方に出す場合でも時候のあいさつからで十分です。そのほうがソフトな印象を与えます。またそれ以降の文章も敬語の使い方やマナーさえ気をつければ、自分なりの言葉でかまいません。ただし、頭語は省いても、結びのあいさつか結語は書きましょう。 @時候のあいさつ 女性の私的な手紙では、頭語は省いて時候のあいさつから始めます。自分が見たり、感じたりした季節感を自分の言葉で表現しましょう。「今年はいつにな梅のほころびも早いようです」とか「近くの空き地でススキを見つけました」などと、会話のように飾らずにサラリと書くのがコツです。 A安否のあいさつ 「先生には」のように、相手の名を安否のあいさつの頭に書く場合は、改行して続けます。 Bお礼・おわびのあいさつ 日ごろ何かとお世話になっていることへの感謝や、いつもご無沙汰していることのおわびを、前文に加えることもあります。 C起こしの言葉 ここから主文に入ります。改行して1行下げ「この度は」「さて」「ところで」「つきましては」「さっそくでございますが」などといった起辞を使い、これ以降が手紙の要旨であることをはっきりさせます。 D本文 私的な手紙の本文は、わかりやすく、具体的に、話し言葉のように書き進めるのがコツです。第三者の言葉などを交えながら、臨場感をもたせるのもよいでしょう。 E結びのあいさつ 私的な手紙の場合は、結びのあいさつも決まりきった文句ではなく、自分なりの言葉で書きましょう。終わりに、「くれぐれもお体をおいといくださいますように」「くれぐれもご自愛くださいますよう」といったあいさつでしめくくります。その後に、さらに改行して結語を兼ねて「まずはお礼まで」「ありがとうございました」などとまとめましょう。 F結語 形式的な手紙では、必ず頭語と結語をペアで用いますが、女性の私信では結語だけでもOKです。女性の場合は、よく『かしこ』が使われますが、これは「謹み、敬う」の意味。親しい間柄の相手なら、「さようなら」「ごきげんよう」「ではまた」を結語にしてもかまいません。 G日付 本文より小さめの文字で、2,3字下げて月日を書きます。 H署名 日付の次の行に、本文末尾より1字上あたりで終わるように差出人の署名を入れます。スペースがなければ、日付と同じ行に書いてもかまいません。 Iあて名 本文より下、日付より上から始まるように、やや大きめの字で書きます。便箋の最後の行に来そうな場合は、日付を結語か署名の行に書いてつめ、最後は1行あける。

2007年05月03日

形式的な手紙

【仕事関係や公的な手紙は旧来の形式に基づいて書くのが常識的】
手紙はおおまかにいって前文・主文・末文・後付の4つの部分から構成されます。形式的な手紙では、まず前文の一番最初に、へりくだったあいさつの頭語を置き、これに対応させて末文の最後はさようならにあたる言葉の結語で結ぶのがマナーです。こうした形式を踏まえた手紙では、時候のあいさつや安否のあいさつ、今後の愛顧を願う言葉なども、文語体の格式ばった表現が用いられます。

@頭語
1行目のトップにくる手紙の書き出しの言葉。書くときは一番上から書き始め、1字下げたりはしません。よく使われる『拝啓』は、「へりくだって申し上げます」の意味。『謹啓』は、特に丁寧にしたい場合に使い、「謹んで申し上げます」の意味。格式ばった正式な手紙には、これらの頭語を使いますが、年賀状、暑中見舞、死亡通知、お悔やみ状には書きません。

A時候のあいさつ
頭語の後、1字文あけて同じ行に続けて書くか、改行して書きます。決まりきったあいさつには、1月「厳寒の候」、2月「晩冬の候」、3月「早春の候」、4月「陽春のみぎり」、5月「新緑の候」、6月「梅雨の候」、7月「炎暑のみぎり」、8月「残暑の候」、9月「新秋の候」、10月「中秋の候」、11月「晩秋の候」、12月「寒冷のみぎり」などがあります。

B安否のあいさつ
まず相手の安否をたずねるあいさつを書くのがマナー。自分の安否を伝える場合は、その後に書きます。ここまでが一般的な前文です。

Cお礼・おわびのあいさつ
日ごろ何かとお世話になっていることへの感謝や、いつもご無沙汰していることのおわびを、前文に加えることもあります。

D起こしの言葉
ここから主文に入ります。改行して1行下げ「この度は」「さて」「ところで」「つきましては」「さっそくでございますが」などといった起辞を使い、これ以降が手紙の要旨であることをはっきりさせます。

E本文
手紙の目的の用件を述べる部分です。できるだけ簡潔に内容を伝えるとともに、失礼のない言葉遣いで書き進めます。

F今後の愛顧を願う
本文には、乱筆乱文のわびや迷惑をかけたことへのわび、後日の約束や返信の請求をしない場合には、「今後ともよろしく」という意味の、今後の愛顧を願うあいさつを入れるのが一般的です。

G結びのあいさつ
用件を書き終えたら、改行をして相手の健康や幸せを祈る言葉を入れ、最後にまた改行して「まずは御礼まで」「右、略儀ながら書面にて御礼申し上げます」「まずはご連絡まで」といった手紙の要旨をまとめる言葉を入れます。

H結語
会話のあいさつで「さようなら」にあたる言葉です。結語は頭語を受け、『拝啓』なら『敬具』、『前略』なら『早々』と受ける言葉が決まっているので、くれぐれも間違わないように。ただし、年賀状、暑中見舞、死亡通知、お悔やみ状には結語は用いません。

I日付
本文より小さめの文字で、2,3字下げて月日を書きます。

J署名
日付の次の行に、本文末尾より1字上あたりで終わるように差出人の署名を入れます。スペースがなければ、日付と同じ行に書いてもかまいません。

Kあて名
本文より下、日付より上から始まるように、やや大きめの字で書きます。便箋の最後の行に来そうな場合は、日付を結語か署名の行に書いてつめ、最後は1行あける。

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